【ミ三3研究レポート】 研究員F
【期間限定の特別企画】今回ご案内するのは高知の「株式会社四万十ドラマ」×ミ三3研究室のコラボレーション企画。四万十の工場で、おいしい紅茶と楽しい焼き菓子の特別セットを期間限定でこしらえてもらいます!四万十名産の甘くておいしいさつまいも「にんじん芋」や国産栗を原材料に、高知は四万十の工場で大切に作られたこだわりの焼き菓子と、すっきりしたやさしいおいしさが自慢の四万十の地紅茶「しまんと紅茶」をセットにしてお届けいたしますが、ここでは、作り手さんたちみんなの物語をお届けしたいと思います。
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作り手さんみんなのアツイ想い。えいね。「株式会社四万十ドラマ」×ミ三3研究室のコラボレーション企画、「おいしいお茶と楽しいおやつ〈高知編〉」に登場するのは、四万十の工場で大切に作られた焼き菓子と、四万十の地紅茶「しまんと紅茶」なのですが、使われているこだわりの素材たちにはそれぞれ、たくさんの物語が。さてさてそれでは詳しく紹介するきね。
まずは、ちょっと変わった名まえの会社
「株式会社四万十ドラマ」について
株式会社四万十ドラマは”地域商社”で、栗や芋、紅茶などをはじめ四万十川流域の産品を使った加工食品、新商品を開発し全国に広めています。社名には“最後の清流”四万十川から新たな物語を作るという想いが込められているそう。四万十川流域を盛り上げたいと畦地履正さん(左・会長)が設立し、息子の剛司さん(右・社長)と地域の生産者さんほか多くの仲間とともに奮闘中です。ご縁があり研究員Fが四万十ドラマさんとお仕事をご一緒する中でいちばんいいなと思っているのは、地元産の素材を使った商品を作るだけでなく、農家さんの高齢化や後継者不足、それにともない生産の担い手がなくなりかけていた地域の特産品の復活と再生などにも取り組んでいること。地元の一次産業のあれやこれやに関わり、四万十ドラマさん自身が活動しています。たとえば「しまんと地栗」の苗木を植えるプロジェクトとか!(フェリシモも「メリーファンディング第17弾」で応援中です)地域の環境に負担をかけないもの作りをめざして掲げるコンセプト「ローカル」「ローテク」「ローインパクト」も、もちろんイイ。
カツオだけやないき! 四万十川流域の地紅茶
「しまんと紅茶」がおいしいって知っちょった?
~「しまんと流域農業organic(オーガニック)プロジェクト」のこと~
四万十ドラマさんは、自社の事業コンセプトに「ローカル・ローテク・ローインパクト」を掲げるだけでなく、四万十川流域の風景・豊かな自然を守り産業を未来へつなぐため、生産者や事業者が連携する「しまんと流域農業organic(オーガニック)プロジェクト」の中心的存在でもあります。そのひとつの取り組みとして、四万十の地紅茶「しまんと紅茶」のオーガニック化へのチャレンジが2023年からはじまりました。四万十の山中に点在し、四万十川を臨む美しい段々のお茶畑。その気候と風土を生かして作られる、四万十の土地の力と生産者の情熱がつまった「しまんと紅茶」の大きなの特長は、ほどよい渋みもありつつ和紅茶らしいすっきりやさしいお味。今回お届けする3種類のしまんと紅茶のうち、桐島畑の生姜をブレンドした「しまんと紅茶 with 生姜」と、馬路村の柚子をブレンドした「しまんと紅茶 with柚子」は、四万十ドラマさんがフェリシモと一緒に開発してくださいました。 ※「有機JASマーク」の認証はありませんが「しまんと紅茶」の原料には、堆肥などによって土づくりをおこない、栽培期間中農薬・化学肥料不使用の茶葉のみを使用しています。
四万十ドラマの代表選手的存在
人気の焼き菓子「焼きモンブラン」と「焼きいもモンブラン」
四万十ドラマさんが手がけるお菓子の中でも、常温で気軽に楽しめる「焼きモンブラン」・「焼きいもモンブラン」は特に人気。どちらも土台はバターたっぷり、香ばしく焼いたサクサクのサブレ生地・アーモンドクリーム、そしてその上に国産栗のモンブランクリーム、または、四万十川流域界隈の名産のお芋、甘みが強く、ねっとりとした食感とにんじんみたいな色が特徴の「にんじん芋」を使った芋のモンブランクリームを重ねた3層。しっとりとした食感も楽しめます。四万十の工場でひとつひとつモンブランクリームを手絞りしているため、表情が少しずつ違うのも愛らしい。リッチな味わいを出すために洋酒(製造過程でアルコール分を飛ばしています)をアクセントに加えています。サブレ生地に加えた、四万十の山で作られた天日塩「山塩小僧」が程よく甘さを引き立てる……というこだわりの焼き菓子です。右の写真が塩の生産者の森澤さん(人呼んで「山塩小僧」)。なぜ山で塩を作るのかというと「海に比べて晴れの日が少ないから、ゆっくりと乾いて塩になる。釜で一気に炊いたり急激に乾かすと海の味が逃げてしまう。僕は海をそのまま味わえるような塩を作りたいと思ってるんよ。」とのこと!夏には50度を超える灼熱の結晶小屋でコツコツと作業をしつつ……「塩を楽しんで作ることが大事」とも。時間と愛情をかけて手仕事によってゆっくりと育てられたこの「山塩小僧」なしには、焼きモンブラン・焼いもモンブランのおいしいさは完成しないのかも知れません。
「ひがしやま。」なんか和風な名まえやね。見た目も素朴……。
ふふふ。洗練されたおいしさにびっくりするがよ。
「ひがしやま。」に使用されているのは「にんじん芋」。中身は(その名のとおり)にんじんのような鮮やかなオレンジ色。四万十川流域界隈で栽培される希少なサツマイモの一種で、その色と濃厚な味わいが特徴です。高知の伝統的なおやつの干し芋「東山」の原料として親しまれてきました。(だから名前が「ひがしやま。」なんやね)十数年前、四万十ドラマさんが、昔ながらの「干し芋・東山」を作っている四万十市東富山地区のみなさん(写真)に出会い、販売をお手伝いするようになったことが、にんじん芋を使ったオリジナル商品の開発のきっかけになったそう。「芋そのままの甘さを活かすこと」をコンセプトに試行錯誤を重ねてできあがったのが、芋焼き菓子「ひがしやま。」。バターと砂糖、白餡を少し足し、芋の本来の甘さとバターの香ばしさが広がるスイートポテト風の仕上がりに。地味な見た目ながら、洗練されたおいしさと、独特のもっちり感がクセになる!と人気です。紅茶はもちろん、緑茶にも合います。……地味な見た目とか言うておりますが(研究員Fが……) これは実は、昔ながらの「干し芋・東山」への最大のリスペクト。伝統的な干し芋の形を模して、薄い楕円形にして焼いているそう。にんじん芋本来の色そのまま、着色料不使用やき。
「紅茶と焼き菓子は一緒に箱に入れてお届けしたいです!」(研究員F)
四万十ドラマさんから届いたサンプル。箱に詰められていたものは……
ちょっといいギフトセットの箱なんかに詰めてあるこれ……誰もが見たことがると思いますが、名まえはご存知でしょうか。この、薄く木を削って作られた「木毛(もくめん)」は、大切な商品を守るラッピング材です。「紅茶と焼き菓子は、セットして箱に入れてほしい」という研究員Fのリクエストに対し、送られてきた箱に詰められていたのが、この「もくめん」。おおお、ナイス。そしてもしや、これは……?と聞いたところ、やっぱり!!”日本最期の木目毛屋”と呼ばれる、高知の「戸田商行」さんのものでした。「戸田商行」さんのもくめんに使われているのは、すべて高知県産の木材。端材で作られているわけでも、何かを作った時にできる副産物でもありません。受け取る人への温かな思いやり、楽しみを込めて、美しさにこだわりていねいに大切に作られています。今から50~60年ほど前までは、もくめんはさかんに製造されていたそうですが、その後は石油化学製の緩衝材が台頭し、日本中にあったもくめん屋は激減。現在は、戸田商行さんが日本で唯一の専業工場だそう。もくめんを作り続けることで、森を守り、木の文化を継承していくことにもつながると考えている、とのこと!ちなみに、高知県の森林率は約84%で日本全国で第1位です。
【ミ三3研究室 研究員Fより】
高齢化や後継者不足に悩まされながらも、大切な地元の特産物がなくなってしまわないように作り続ける農家さん。地元の素材を生かしつつ、シンプルな原材料で工夫を凝らして新しいお菓子を作る工場。復活からさらにその先へ、オーガニック化に取り組むお茶の生産者さん。ひとつひとつの小さな焼き菓子の中に、カップ1杯の紅茶の中に、一次産業・二次産業・三次産業、関わるすべての人たちの情熱や物語がギュッとつまっている。そういうのを知ることは、とても楽しい。私自身には関係ないことなんだろうか?とか、いろいろなことを考えてみるのも好き。私自身が出会って楽しいな、素敵だなと思ったモノ・コト・ヒト……みんなにも言いたい。伝えたい。そして、みなさまにモノを通してそんなアレコレも一緒にお届け、みなさまの日々の暮らしを彩るきっかけになれたらいいなと思うのです。

